エピソード1 物件見学はあくまでも「見学」だけにしておきましょう。同時に勧められるローンの仮審査はどん底への直行便かもしれないので。

エピソード

アタクシは24歳で最初の結婚をし、1男を儲けました。この記事を書いている時は、息子は24歳になるころです。アタクシが結婚した年齢を迎えます。

そしてアタクシが41歳の時、その息子の母親と離婚しました。その家族とは一度も「家を買う」なんてぇことは考えたことありませんでした。

再婚は42歳の時。離婚して1年余り。養育費や慰謝料、子供の学費などで月12万円の支払いがあり、とてもとても再婚なんて考えられませんでした。

でも世の中には物好きな人がいるものです。それでも一緒になりたいと言ってくれる女性に巡り合いました。本当にありがたい話です。

その時です。「家が欲しい」と思ったのは。

 なんだ、月のローン、今の家賃と変わらねぇじゃん!?

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いざ家を買うなんてぇのが頭に浮かぶともう色んな情報を集めにかかります(笑)。

離婚や自分の住むところを確保するため、当時の貯金は全くありませんでした。当然、頭金0円、住宅ローンで購入する気満々でした。

だって、チラシに書いてあるじゃないですか~っ。「頭金0円、月々9万円台から購入可」なんてね(笑)

月の家賃と同等なら買っちゃお~🎵 そんな軽い気持ちでした。そこから情報集めが始まります。

ネットはもちろんですが、街を歩いている時も不動産屋さんがあると無意識に足が止まります。

そのうちネットや図面だけでは満足できずに実際に物件を見に行きたくなるものです。

当然、私たち夫婦も夢のマイホーム物件を見に行こう!そうなるのにそれほど時間がかかりませんでした。

通勤は自転車だから駅近じゃなくてもいい。駅から遠くてもその分築浅でリビングの広い物件がいいなぁ

そうね、ピアノも置きたいし「ピアノ可」のマンションってあるかしら?それに子供が生まれた時のことを考えるとどちらかの実家に近い方がいいんじゃない?

ピアノだとマンションは難しいかもね。価格はローン返済月々9万円台ならやっていけそうだ。9万円×35年ローンということは420回払いだから、3780万円の物件ならいけるかな!?

そのくらいならいいところありそうね!!

 

…と夢は膨らみます。

色々調べて、まずは大手の不動産会社の門をたたくことに。TVCMで有名な「〇タット〇ウス」ですよ。

そこで自分たちの条件を話し、希望に合う物件を見学させていただくことに。

後日3件ほどの見学の約束を取り付けることとなりました。

夢はどんどん膨らんでいきます。

しかしこの後、アタクシは住宅ローン審査の厳しい現実を突きつけられるのです。

 

ついつい乗ってしまった「仮審査申込」のワナ

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いよいよ見学当日。

まぁやはり中古物件だけに色々な物件がありましたけど、ここでは書きません。別の記事で書きますな。

3件ほど回って不動産会社に戻ってきて、「お疲れ様でした~」と帰ろうかと思ったその時、アテンドしてくれた不動産会社の方が

「あの~もしよろしければ、住宅ローンの仮審査おすすめしていますがどうでしょうか?」と。

「いやいや、まだ買うと決まったわけでもないのに申込なんてできないでしょ?」と聞くと

「いえいえ仮申し込みをしておけばいざ、物件が決まった時にスムーズに話が進みますよ。それにあくまで「仮」ですから」と。

勉強不足のアタクシは「はぁ~ん、そういうもんなんだ。そんならやっていくかねぇ」と気軽に応じてしまった。まぁこれがよくなかった。

何しろ「仮」と名のつくものだから、簡単な書類でも書けばいいのか思ったら大間違い。年収やすでに借りているローンがあるか、健康状態など結構細かい。

一通り書き終えると「こちらもお願いします」と別の申込書が手渡される。さっきは「り〇な銀行」お次は「み〇ほ銀行」と結局銀行3つ分書かされた。それを書くだけで1時間半。外に出たらあたりは真っ暗だった。

仮申し込み書とは名ばかりで書いた感想はこれで大体決まっちゃうんだろうなぁと。結構、よそ様に知られたくないことまで書かなきゃならん。なんかいきなりテストされているみたいでね、何とも言えない汗をかいたのを覚えている。

仮審査にかかる時間はおおよそ3日~5日位。審査結果はそれぞれの金融機関から郵便で届く。結果が出たころに連絡してくれるということでその日は「釈放」されました。ただ、すでにこの時に何となくイヤ~な予感はしていたんです。

俺って、信用ないんだな…現実を突きつけられた夜

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見学を終えて3日目の夜。案外早く「仮審査」の結果が届いた。

正直、一つくらいは引っかかるかなと思っていただけに、かなりショックでしたな。

「俺って…世間から信用ないんだな…」自然と涙が出てきたのを覚えていますな。

年収だって660万円ある。今住んでいる賃貸だって11万5000円の家賃を滞りなく支払ってきた。なんで!?なんでよ!?心の中でそんな自分の叫びが聞こえてきました。

不動産会社から連絡があり、全ての審査に落ちたことを伝えた。力のない応対をしたアタクシにはもう何も考える力も余裕もありませんでした。

電話口では「まだまだ色々な住宅ローンがござ…」という言葉を遮るようにアタクシは、

「いえ、もう結構です。私には家を買う資格なんてないのがよくわかりました。こんな自分にお付き合いいただいて申し訳ありません。ありがとうございました」と言って電話を切りました。

「妻に何と説明しよう」「これからもずっと賃貸か…」など色んなものが頭の中を駆け巡りました。

「住宅ローン、仮審査ダメだったよ」と妻に言うと

「そっか。しょうがないね。また何か考えようよ」

その言葉を聞いてまた涙が出てきました。こんな世間から信用されない男と結婚して後悔や愚痴の一つや二つ言われるのではないか?こんな夫に失望して夫婦仲が冷めてしまうのではないか?そんなふうに怯えていたアタクシに「しょうがないね」という言葉がとても温かく感じられたのと同時に前を向こうと思いなおしました。妻には本当に感謝していますヨ。

仮審査でも申し込めば「戦場」に行くようなもの

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もう仮審査を申し込んだ時点で銀行の審査というまな板に思いきり乗せられるんだということを身に染みてわかりました。

絶対に軽い気持ちで仮審査でも申し込むべきではないと思います。

収入の安定してる大手のサラリーマンや物件価格の半分くらいの頭金を用意できるのならともかく、アタクシのような個人事業主や中小企業の役員は色々なところを見られます。おまけに頭金はゼロ。「一昨日きやがれ!」と銀行の声が聞こえてきそうです。きっと苦笑いしながら、融資不可のハンコをついたことだろう。想像するだけで悔しいし恥ずかしい。本当に無謀な行動でした。

この経験をして感じたことは銀行がどんな人に融資をしたいのかを理解しないで住宅ローン審査を受けるのは「武器を持たず、相手を偵察せずに戦場に行くようなもの」だと。いわば、死にに行くようなものです。アタクシの様に妻の言葉に救われたのはラッキーです。これを機に夫婦の中が気まずくなる可能性は十分すぎるほどあります。

あんなに二人の、家族の幸せを思い浮かべながら立てたマイホーム計画があっという間に崩れていくのです。そんな、無謀なことをしたら絶対にいけません。

住宅購入の勉強のために物件見学は情報収集には欠かせません。これに関しては沢山の物件を見ることをお勧めします。しかし、「そのついで」に不動産会社は住宅ローンの仮申し込みを迫ってきます。決して軽い気持ちで受けてはなりません。

アタクシのような個人事業主や中小企業の役員は「個人」ではなく「事業」や「企業」も審査の対象になります。サラリーマンなら変な話、有名な企業に勤めているだけで、ロクに仕事ができなくても審査は有利に運びます。

数々の修羅場を潜り抜け、寝る時間も惜しんででも仕事に打ち込んできた個人事業主や中小企業の役員の方がよっぽど頑張り屋で仕事ができるはずなのに、住宅ローンの審査にはそういう項目は全く「信用」につながらないのです。

ですから、審査を受けるならしっかり「武装」して臨むことをお勧めします。細かい内容は別の記事にしますが、安易な仮申し込みは自分と家族が傷つきます。これだけはこの記事で強くお伝えしたいと思います。

年収もそれなりにあるし、会社も安定しているのになぜ仮審査ダメだったんだろう?

個人事業主や会社役員の場合は個人だけではなく会社の業績なんかも重要になってくるみたいだね。なぜならその会社の業績が悪くなれば、当然社長の収入も悪くなるし、倒産すればローン返済どころじゃなくなるからね。

そうなんだぁ。いつも頑張ってお仕事しているのにね。それよりも年収が低いサラリーマンなら通ることもあるんだって!?

そうだね。公務員や大企業は基本余程のことがない限り倒産しないし、収入が保証されているようなもの。銀行はそういう人を「選んで」融資するんだね。まぁ貸す方からしてみれば必ず返してくれそうな人に貸すのは当たり前と言えば当たり前だよね。自分の仕事の信用のなさを思い知らされたよ。がっかりさせて申し訳ない…

なんか納得いかないけど、しょうがないね。マイホームだけが人生じゃない。楽しく明るい家庭を築ければ住まいなんて持ち家じゃなくてもいいわ。気にしないでね。

住宅ローン審査はこういった職業はもちろん、申込者の年齢や健康状態。特に完済する時の年齢は結構重要みたいですぞ。Mageさんはこの時42歳。35年ローンで完済は77歳。その歳まで働いてローンを返すことができるのか?冷静に考えるとちょっと無謀だったかもしれないねぇ…

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